みどり区 左京山歯科・矯正歯科クリニック

歯の豆知識ブログ

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歯の神経を取ると歯が弱くなるって本当?

こんにちは、名古屋市緑区の左京山歯科・矯正歯科クリニック院長の宮崎です。

歯の神経を取る抜髄治療をすると歯が弱くなって割れやすいということを聞いたことがありますか?これは患者さんからもたまに聞かれる質問です。歯が弱くなるから歯の神経を取りたくありませんと言われることもあります。今回はこの、歯の神経を取ると歯が弱くなるのかという点について説明したいと思います。

歯の神経を取ると本当に歯が弱くなるのか?

結論から言うと、歯の神経がなくなるから歯が弱くなり割れやすくなるということではありません。よく神経をとって歯が割れやすくなるというのは、実は神経を取る処置において歯を削る量がかなり多いからなのです。

通常は歯の神経を取る処置をする場合は虫歯がない場合でもこれくらい削ります。

これに神経に及ぶくらいの大きな虫歯があった場合はさらに歯の削除量が増えますよね。

つまり歯が弱くなる1番の原因は歯をたくさん削るからなのです。

歯の神経を取ると歯の水分量が減って歯が脆くなるって聞いたことがある人もいると思いますし、そのように説明する歯科医師もいると思います。

確かに歯の神経を取ると歯の水分量は減ると論文にもあります。しかしその減る割合は0.25%ともいわれておりこれは統計学的有意差はないという結論が出ています。

水分のロスのみで歯質は脆くはならず、歯の神経の有無は歯根の強度に影響を与えません。神経のある歯とない歯の機械的性質は似ているのです。

まとめると、

歯の神経を取る治療は歯質の強度低下にわずかな影響しか与えない

歯の神経を取るためや大きい虫歯による歯の多量の切削が歯の剛性を低下させる

特に辺縁隆線の喪失は歯の剛性を低下させる

辺縁隆線とはこの部分を言います。

歯の神経を取ったから歯が弱くなるというのは全くの間違いです。

なのできちんとした抜髄治療をすれば歯の神経の有無で歯が弱くなるということはないのです。

歯の神経を取ったら前歯以外はかぶせ物で治しましょう。

前歯については絶対にかぶせ物を入れないと行けないという事はありません。

歯がある程度しっかりと残っていればコンポジットレジンで修復でも問題はありません。

なぜなら前歯は小臼歯や大臼歯に比べるとそこまで歯に力がかからないからです。しかし年数とともに歯の色が変色してきますのでその際はかぶせた方がいいでしょう。

小臼歯や大臼歯についてはかぶせ物で治すのがベストと言えます。

歯を削るのが嫌という理由でコンポジットレジンで修復すると歯が割れて抜歯になる可能性があります。

 

アメリカの大学の大規模調査で146万本の根管治療(歯の神経を取る治療)の歯の8年生存率を調べたところ97%は残っていました。しかし抜歯された歯を調べてみるとなんと85%の歯はかぶせ物にしてなかった歯だったのです。R.Salehrabi et al,JOE 2004

さらに調べたところ、かぶせ物未装着の歯はかぶせ物を入れた歯に比べると6倍喪失していたそうです。Aquilino SA et al,JPD 2002

さらに根管治療(歯の神経を取る治療)の歯は疼痛閾値が上がるという論文もあります。Randow &Glantz Acta Odontol Scand 1986

疼痛閾値とは歯の痛みをどれくらいで感じるかという値です。つまり疼痛閾値が上がるという事は痛みを感じにくくなるという意味です。痛みを感じる負荷レベルは神経がある歯の2倍以上になるという事です。

根管治療歯は神経がある歯に比べると痛みを感じにくくなってしまうのです。これは何を意味するのかというと通常は噛みしめた際に痛みを感じれば無意識に力を抜きます。痛くなると嫌なのでそれ以上は力を入れません。閾値が2倍以上もあるとどうなるのでしょうか?歯が割れる限界になっても痛みを感じないので強く噛みしめてしまいます。すると割れやすくなるということです。

まとめ

歯の神経を取るから歯が弱くなると言う事はありません。しかし歯の神経を取る位の虫歯の削除や歯の神経を取る治療の際に歯質の削除が多くなること、そして歯の神経を取ると痛みを感じなくなり疼痛閾値が上がることで歯が割れやすくなるのです。

これを予防するためには、歯の神経を取ったら前歯以外はきちんとかぶせ物で治しましょう。前歯は残っている歯の量によるので必ずしも必要ではありません。

かぶせ物を入れて治さないと6倍抜歯のリスクが高くなります。なので臼歯は原則かぶせ物を入れた方が望ましいと考えます。

最終の判断は患者さんですがきちんと歯科医師の先生とかぶせた方がいいのかどうかは相談して決めましょう。

名古屋市緑区の左京山歯科・矯正歯科クリニックでは明らかにかぶせなければいけない場合以外はきちんと患者さんに、かぶせ物を入れない場合は6倍喪失のリスクが高くなると説明して患者さんに判断してもらいますがほとんどの方はかぶせ物を選択されます。かぶせ物の種類についてはカウンセリングできちんと相談して決めることができますのでご安心下さい。神経を取ると歯が弱くなると考えている方の参考になればと思います。

監修者情報

監修者情報

名古屋市緑区のみどり区 左京山歯科・矯正歯科クリニックで院長を務める宮崎裕基です。当院は歯の機能の改善と口元の美しさを両立させる審美治療を中心に、お口全体の健康を包括的に守るフルマウス治療を推奨しています。いつも患者さんに精度の高い安心の治療をご提供できるように、常に技術の向上に努めています。そのためにも、歯科用CTなど新しい設備の導入は欠かせません。
私たちはカウンセリングを大切にし、そこで患者さんの本当のご要望を引き出すことが「ご満足いただける治療」につながると考えています。お口のお悩みがありましたら、まずはお気軽にご相談ください。

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