インプラントは何歳まで受けられる?年齢・条件を名古屋の歯科医師が解説

「インプラントを検討しているけれど、自分の年齢でも受けられるのだろうか」と不安に感じている方は少なくありません。実際に当院にも、60代・70代の患者さんから「もう遅いですか?」というご相談をいただくことがあります。

結論からお伝えすると、インプラント治療に「絶対的な年齢上限」はありません。ただし、年齢によって考慮すべきことがあるのも事実です。この記事では、インプラント治療と年齢の関係について、下限・上限の両方の視点からわかりやすく解説します。
インプラントに「年齢制限」はある?

インプラント治療に法律で定められた年齢制限はありません。ただし、日本口腔インプラント学会などのガイドラインでは、骨の成長が完了していることが前提条件とされています。そのため、一般的に治療の対象となるのは成人以降となります。
一方で上限については、「何歳以上はNG」という明確な基準はなく、年齢そのものよりも「全身状態」「骨の状態」「日常的なお口のケアができるか」などを総合的に判断します。
📌 ポイント:インプラント治療は年齢よりも「全身状態と骨の状態」が重要な判断基準です。
インプラント治療の下限年齢 ―何歳から受けられる?
インプラントを顎の骨に埋め込む治療である以上、顎骨の成長が完了していることが必須条件です。一般的に顎骨の成長が完了するのは以下の年齢とされています。
- 女性:17〜18歳ごろ
- 男性:18〜20歳ごろ
成長が完了する前にインプラントを埋め込むと、顎骨の成長に伴ってインプラントの位置がずれてしまうリスクがあります。このため、未成年の方には原則としてインプラント治療は行われません。
なお、成人していても骨の成長が完全に止まっていない場合があるため、若い方は精密な検査を経た上での判断が必要です。
インプラント治療の上限年齢 ―高齢でも受けられる?

「70代・80代でもインプラントを受けた」という方は実際にいらっしゃいます。年齢が高くなるほど考慮すべき点は増えますが、それがそのまま「治療不可」を意味するわけではありません。
高齢の方がインプラントを検討する際のポイントは大きく3つあります。
① 全身疾患の有無と管理状態
高齢になるほど、糖尿病・高血圧・骨粗しょう症などの全身疾患を抱えている方が増えます。これらの疾患があっても、適切にコントロールされていれば治療できるケースは多くあります。
特に注意が必要なのは、骨粗しょう症の治療で使われる「骨吸収抑制薬(ビスフォスフォネート製剤など)」を服用している場合です。このお薬を内服中にインプラント治療を行うと、顎骨壊死のリスクがあるため、担当の内科医や整形外科医と連携しながら慎重に判断する必要があります。
② 顎骨の量と質

歯を失った期間が長いほど、顎骨は吸収されて痩せていきます。骨の量が少なすぎる場合は、骨を補う「骨造成手術」が必要になることがあります。高齢の方はこの骨吸収が進んでいるケースも多く、事前のCT検査で骨の状態を正確に把握することが特に重要です。
③ 術後のセルフケアと通院が継続できるか
インプラントは埋め込んで終わりではなく、定期的なメンテナンスが欠かせません。術後のブラッシングや定期通院を継続できる環境にあるかどうかも、治療適応を判断する上で大切な要素です。
「まず診てみなければわからない」というのが正直なところです。「もう高齢だから…」と諦める前に、一度ご相談いただくことをお勧めします。
年齢別:インプラントを検討する際のポイント
| 年代 | 主なポイント |
|---|---|
| 20〜30代 | 骨の成長完了を確認後に治療可能。骨量が十分で回復力も高く、インプラントが最も安定しやすい年代。 |
| 40〜50代 | 体力・回復力ともに高く、全身疾患のコントロールができていれば最も治療しやすい世代。仕事や生活への影響も最小限に抑えやすい。 |
| 60代 | 全身疾患・服用薬の確認が重要。骨吸収抑制薬の有無は特に確認が必要。全身状態が良好であれば多くの場合に治療可能。 |
| 70代以上 | 治療可否は全身状態と骨量で判断。骨が十分あり、健康状態が安定していれば対応できるケースも多い。術後の通院・ケア継続も重要な判断基準。 |
「年齢的に無理かも」と思っていた方が治療できたケース

実際に当院では、「年齢が心配で他院で断られた」とご相談に来られた70代の患者さんが、精密検査の結果として問題なくインプラント治療を受けられたケースがあります。
また反対に、比較的若い40代の患者さんでも、糖尿病のコントロールが不十分であったために治療を延期し、内科と連携しながら全身状態を整えてから治療に臨んだケースもあります。
つまり、「年齢=治療の可否」ではなく、「今の状態=治療の可否」という判断になります。
インプラントが難しいと判断される主な条件
年齢を問わず、以下に当てはまる場合はインプラント治療が難しいと判断されることがあります。
- 血糖コントロールが不良な糖尿病(HbA1cが高い状態)
- 骨吸収抑制薬(ビスフォスフォネート製剤など)の服用中
- 放射線治療(顎への照射)の既往
- 顎の骨が著しく少ない(骨造成が困難なケース)
- 重篤な免疫疾患や出血性疾患
- 喫煙量が多い(インプラント周囲炎・失敗リスクが上がる)
これらに当てはまる場合でも、状態を改善・管理することで治療が可能になるケースもあります。「どうせ無理だろう」と判断する前に、まず専門家にご相談ください。
まとめ:インプラントは「年齢」より「状態」で判断される
インプラント治療に絶対的な年齢上限はありません。大切なのは「今の全身状態と骨の状態がどうか」です。
- 下限:顎骨の成長が完了した成人以降(概ね18歳〜)
- 上限:年齢より全身状態と骨量で判断
- 高齢でも:全身状態が良好であれば治療できるケースは多い
- 持病がある方:内科と連携しながら慎重に判断
「もう年だから」と諦める前に、一度ご相談ください。名古屋市緑区の左京山歯科・矯正歯科クリニックでは、CT検査を含む精密な診査を行い、患者さん一人ひとりの状態に合わせた治療方針をご提案しています。インプラントが適応かどうか、まずはカウンセリングでお気軽にお聞かせください。


















