プライムスキャンで叶える「1日で完成する歯の治療」——技工士が院内で仕上げる、左京山歯科・矯正歯科クリニックのこだわり

名古屋市緑区の左京山歯科・矯正歯科クリニック、院長の宮崎裕基です。
「歯の治療って、何度も通わないといけないから大変……」そう感じていらっしゃる患者様は、とても多いです。特にセラミックの詰め物やかぶせ物の治療は、従来であれば「型を採る→仮歯を入れる→技工所に送る→数週間後に完成品を装着する」という流れが一般的で、最低でも2〜3回の通院が必要でした。
当院では、そのような患者様のご負担を少しでも減らしたいという思いから、プライムスキャン(PrimeScan)を用いたCAD/CAMシステムを導入しています。そして当院の治療には、他院にはない大切なこだわりがあります。それは、院内に在籍する歯科技工士が補綴物を製作するという点です。
今回は、プライムスキャンを使った「1Dayトリートメント」の流れと、当院ならではの強み、そして正直にお伝えしたい適応外のケースについても詳しくご説明します。
プライムスキャンとは?

プライムスキャンとは、ドイツのデンツプライシロナ社が開発した高精度口腔内スキャナーです。従来の「粘土状の材料で型を採る」方法に代わり、小型カメラを口の中に入れて歯の形状を3Dデータとして瞬時に取得します。その精度は非常に高く、1秒間に最大1億個のデータポイントを取得できると言われています。
取得したデータはそのままコンピューターに送られ、補綴物(詰め物・かぶせ物)の設計・ミリングマシンによる切削まで、一連の作業を院内で完結できます。使用する材料はセラミック(陶材)ブロックで、天然歯に近い色調と硬さを持ち、金属アレルギーの心配もなく、審美性・耐久性ともに優れています。
1Dayトリートメントの流れ

当院のプライムスキャンを用いた治療は、基本的に1回の来院で完了します。以下がその流れです。
① 診査・診断(初診・カウンセリング)
まず、現在の歯の状態を丁寧に確認します。虫歯の範囲、噛み合わせ、歯肉の状態などを総合的に診査し、1Dayトリートメントでの治療が適しているかを判断します。レントゲンやCTが必要な場合はこの段階で撮影します。
適応となるのは、主に次のようなケースです。
- 奥歯の虫歯治療(インレー・アンレー)
- 前歯や奥歯のかぶせ物(クラウン)
- 古い金属の詰め物・かぶせ物の交換
- 歯の破折・欠けの修復
② 麻酔・歯の形成
治療当日は、まず局所麻酔を行い、虫歯や古い詰め物を除去します。その後、補綴物を入れるための形に歯を形成(削り整える)します。この工程は通常の治療と変わりません。
③ 口腔内スキャン(プライムスキャンによる光学印象)
従来の「型採り」に相当する工程ですが、プライムスキャンでは小型の3Dカメラを使って歯の形状をデジタルデータとして取得します。粘土状の材料を口に入れて型を採る必要がないため、嘔吐反射が強い方や口が開きにくい方にも非常に好評です。スキャン自体は数分で完了し、患者様への負担が大幅に軽減されます。また、スキャン中にモニターでリアルタイムに3D映像を確認できるため、患者様ご自身も治療の様子を目で見て把握することができます。
④ コンピューターによる設計(CAD)
スキャンしたデータをもとに、コンピューター上で補綴物の形状を設計します。噛み合わせや隣接する歯との関係を精密に計算しながら、最適な形を作り上げます。この工程が当院の最大のポイントです(詳しくは後述します)。
⑤ ミリングマシンによる切削(CAM)
設計データをミリングマシンに送り、セラミックブロックを自動で削り出します。所要時間は補綴物の大きさや形状によりますが、おおよそ10〜20分程度です。削り出し中は、患者様に少しお待ちいただく時間となります。
⑥ 仕上げ・研磨・グレーズ処理
削り出した補綴物は、そのままでは表面が粗い状態です。ここで技工士による丁寧な仕上げ・研磨・グレーズ(焼き付け)処理を行います。この工程が、補綴物の審美性・適合精度・耐久性に大きく影響します。
⑦ 試適・調整・装着
完成した補綴物を口腔内に試適(試しに入れて確認)し、噛み合わせや形態を細かく調整します。問題がなければ、専用の接着剤でしっかりと装着して完成です。
当院最大のこだわり:技工士が院内で製作する

一般的にCAD/CAM治療を導入している歯科医院では、設計・切削はコンピューターが行いますが、仕上げや色付け(ステイニング)の工程は歯科医師が行っている場合が多いのが実情です。
しかし、補綴物の仕上がりを本当に高いレベルに引き上げるためには、歯科技工士の専門的な技術と審美眼が不可欠です。
当院では、院内に歯科技工士が在籍しており、補綴物の設計・仕上げ・グレーズ処理まで一貫して担当しています。これにより、以下のようなメリットが生まれます。

✦ 高い審美性
隣の歯の色調や光の透け感、表面のテクスチャーに至るまで、技工士が直接口腔内を確認しながら細かく調整することができます。「自分の歯と見分けがつかない」と言っていただけるような仕上がりを目指しています。

✦ 精密な適合
技工士が設計データの段階から関わることで、歯の形態や噛み合わせに対する精度がより高まります。適合が良い補綴物は、歯との境目から虫歯が再発しにくく、長期的な口腔の健康につながります。

✦ 医師・技工士の密な連携
歯科医師と技工士がすぐそばで連携できる環境は、治療の質を大きく左右します。「この患者様の歯はどういった形が理想か」「噛み合わせ上どこを注意すべきか」を直接対話しながら製作できるため、患者様お一人おひとりに最適化した補綴物が完成します。
正直にお伝えします:1Dayトリートメントが適応外になるケース
プライムスキャンを用いたCAD/CAM治療は非常に優れたシステムですが、すべての患者様・すべての症例に対応できるわけではありません。当院では「1日で終わります」という言葉だけで患者様の期待値を過度に高めることなく、事前にしっかりとご説明したうえで治療方針を決定しています。
虫歯や歯周病の治療が先に必要なケース
虫歯が神経に達していて根管治療(歯の根の治療)が必要な場合や、歯周病が進行して歯肉・骨の状態が安定していない場合は、まずそちらの治療を優先する必要があります。土台が整っていない状態でセラミックを入れても、長持ちしないからです。
歯の欠損範囲が大きく、複数歯にまたがるケース
失った歯が複数本ある場合や、ブリッジ(複数の歯をつなぐかぶせ物)が必要な場合は、設計・製作の難易度が上がり、1日では対応できないことがあります。また、そのような広範囲の補綴には精密な咬合調整が必要なため、外部技工所に依頼して時間をかけて製作する方が適していることもあります。
噛み合わせの大幅な改善が必要なケース
顎の位置関係や噛み合わせ全体のバランスを根本から変える必要がある場合は、CAD/CAM単独での対応が難しく、矯正治療や全顎的な咬合治療と組み合わせて進めるケースがあります。
審美的な要求が非常に高いケース
CAD/CAMのセラミックブロックは均一な色調のブロックを削り出すため、複雑な色のグラデーションや高い透明感が求められる前歯の審美治療では、技工士が一層一層手作業で積み上げるフルオーダーのポーセレンラミネートやe.maxプレスの方が、より自然な仕上がりになる場合があります。ご要望を丁寧にお聞きしたうえで、最適な材料・手法をご提案します。
歯ぎしり・食いしばりが強いケース
強い歯ぎしりや食いしばりの習慣がある方は、セラミックが割れるリスクが高くなります。使用が不適切なわけではありませんが、ナイトガード(マウスピース)の併用や材料の選択について十分に相談したうえで進める必要があります。
「1日で治療できますか?」とお問い合わせいただくことが多いのですが、まず診査をしてみないと、適応かどうかは判断できません。カウンセリングの際に口腔内の状態を確認し、「この方法が最善かどうか」を正直にお伝えすることを大切にしています。
こんな方におすすめです
- お仕事や家事でなかなか通院の時間が取れない方
- 型採りが苦手、または嘔吐反射が強い方
- 金属アレルギーが心配な方
- 銀歯を白くしたい方
- できるだけ審美性の高い仕上がりを求める方
料金について
プライムスキャンを用いた補綴物は自由診療(保険適用外)となります。料金は補綴物の種類・部位・本数によって異なりますので、まずはカウンセリングにてご相談ください。治療前にしっかりとご説明し、ご納得いただいてから治療を進めますのでご安心ください。
まとめ
- プライムスキャンを用いた1Dayトリートメントは、忙しい方・型採りが苦手な方に大きなメリットをもたらす
- 当院では院内技工士によるハイクオリティな仕上げを提供——審美性・適合精度・医師との連携力が強み
- すべての症例に対応できるわけではなく、患者様の状態によっては別の治療法をご提案することもある
- 大切なのは「1日で終わること」よりも「長く健康に使える補綴物を入れること」
「1回で終わるだけでなく、仕上がりも美しく、長持ちする補綴物を」——そのような思いで、スタッフ一同、日々の診療に取り組んでいます。
プライムスキャンを用いた治療についてご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせ・ご来院ください。


















